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旧法借地権(賃借権)マンションはお買い得?【読者さまから相談】

QA

当サイトの読者様から、旧法借地権(賃借権)マンションの購入に関して次のような相談メールをいただきました。

4人家族の主婦です。

旧法借地権(賃借権)のマンション購入を検討していますが、権利切れ後にどうなるか不安です。

今後の収入面の不安から、手ごろな価格の旧法借地権(賃借権)マンションを見つけたわけですが、更新を断わられて住み続けられなくなったりする不安や、火災などで建物が消滅した場合の対処などがわからず、手を出すべきかどうか迷っています。

お手数をお掛けしてすみませんが、どうかひとつ、お知恵をお貸しください。ご回答いただければ幸いです。宜しくお願い致します。

さて、果たして旧法借地権(賃借権)マンションはお買い得なのか、それともシロウトが手を出すべきではないのか……。

旧法借地権(賃借権)の概要と、メリットとデメリットをおさらいしながら考えてみましょう。

旧法借地権(賃借権)とはどんな権利か?

団地

借地権というのは、その名のとおり「土地を借りる権利」です。貸し借りについては、原則として借り手と貸し手の双方の合意があれば、その契約内容は民法に沿って自由に決めることができます。

わざわざ別に「土地を借りる権利」を定めるのは、この土地が建物を所有するために必用不可欠な関係にあり、土地だけを切り離して考えることができない場合があるため、その権利を制限しなければならないからです。

具体的には、その土地の上に建っている建物の所有権が土地の所有者と異なる場合に、この借地権が自動的に適応されることになります。

建物とその敷地は切っても切れない関係にあるため、土地の所有権者の意向が建物に与える影響は甚大です。例えば、土地を利用する建物との賃貸借契約を打ち切って、更地に戻したり別の建物を建てようとすることができれば、それまでの建物は維持できなくなってしまいます。

土地がなければ況建物を建てることはできないため、どうしても力関係は「土地の所有者>建物の所有者」にならざるをえません。

しかし、土地所有者の意向で建物の維持が困難になる状が簡単に発生するのでは、建物の所有権は無いのも同然となってしまいます。

こうした事態を防ぐために、日本では明治42年に賃借人を保護する目的で借地借家法が施行され、借主保護の法関連が整備されました。借地借家法は1992年(平成4年)に改正されたため、それ以後に発生した賃貸借への適用と区別するために「旧法」という言葉が頭に付けられることになりました。

借地権と新旧の違いをわかりやすく解説

借地権には、地上権と賃借権の2つがあります。

地上権はその建物を所有するために必要な土地の賃貸借関係として登記をすることができるものです。これによって建物と土地の関係を第三者に対抗すること(=権利を有することの証明)ができます。

さらに、この土地に関する権利を建物とともに自由に転売したり転貸することが可能です。

賃借権は、土地の所有権者が建物の存在を認めたことだけを示すものです。建物の存在によって土地との賃貸借関係が発生した状態を示しているだけなので、土地に関する権利を建物とともに転売したり転貸するには、土地の所有権者の承諾がなければできません。

旧法か新法かは、借地借家法が改正された1992年より以前に賃貸借関係があったのか、それ以降かによって分けられることになります。

ザックリと新旧の違いを見れば、旧法は建物の所有権者のほうに有利、新法は土地の所有権者のほうに有利な内容になっています。

旧法賃借権がお買い得な理由

マンション

新法が土地の所有権者に有利となったのは、旧法では法律で認める正当な事由がなければ建物の所有権者から土地を返還でないとしていた部分に関して、期間を定めてできるように緩和した部分です。

つまり旧法借地権では、土地の所有権者が建物の所有権者に対して賃貸借を解消するように求めることはほぼできないことを意味しています。

旧法借地権のマンションでは、一般の所有権マンションで土地が共有持分として所有できるところが、賃貸借での準共有になるものの所有はもちろんできません。しかしその分、土地分の取り引きや登記が不要になり、購入代金を節約できます。

賃貸借関係を簡単には解消できないこと、土地分の取り引き費用が割引になることなどを理由に、価格が一般の土地付きのマンションより割引かれるため、旧法借地権のマンションはコスパが優れていると注目を浴びているわけです。

まとめ

マンション

以上のように、旧法借地権のマンションが一般の土地付きマンションよりも「お買い得」であると言えるでしょう。

しかし、注意しなければならないのは、「旧法」であることと、「賃借権」ではなく「地上権」の土地であることが「お買い得」の条件になることです。

「旧法」であっても「賃借権」の土地に建てられたマンションでは、売却や賃貸する際に土地の所有権者の承諾が必要となります。土地所有者の承諾には承諾料を必要とするケースも少なくありません。

新法では賃貸借の更新に関して土地所有者に有利な内容であるため、期限が到来すると建物の所有権に大きな影響を及ぼす事態も受け入れなければなりません。

具体的に定期借地権契約では、更新不可で原状復帰、つまり建物を取り壊して更地で土地所有者に返還する契約も受け入れなければならないのです。

ご相談内容は、「旧法借地権(賃借権)」とのことでしたので、借地借家法の旧法適用、「地上権」ではなく「賃借権」というマンションの購入を検討されているものと考えます。

旧法であることによって、建物が現存するかぎり、土地所有者の意向による取壊しで立ち退きといった心配は必要ないでしょう。

しかし、賃借権であれば、賃貸借契約の更新に際して、地代の支払いのほかに更新料が必要になることが考えられます。更新料は一般に更地の4~6%程度と言われています。

また、「借地権」では売却する際に土地所有者の承諾が必要になることが考えられます。承諾料は一般に譲渡価格(売却代金)の1割程度。

住宅ローンなど融資の面では、新法のマンションなどで対象とされないこともあるのに対して、旧法のマンションではほとんど一般の所有権マンションと同じ扱いになるようです。

火災保険など保障についても、一般の所有権マンションと同じ扱いと考えて良いようです。

建物が消失した場合、法で定めた必要事項などをその土地の見やすい場所に掲示するなどの手続きを踏めば、建物に関する権利は存続します。

ただし、権利は存続しても、再建の責任が土地所有者にはありませんので、自力で対処しなければなりません。

まとめると、旧法借地権のマンションは一般の所有権マンションより割安で、保険などの保障も制限されないために「お買い得」であることは確か。しかし、「地上権」か「借地権」かでは条件が異なるために、確認は必要。

「借地権」であれば、土地所有者の承諾の手間と、承諾料や更新料などの追加負担が発生することも想定しておく必要がある。

以上のことを考慮に入れ、購入か否かの判断をされるようにしてください。

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