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資産管理会社を設立しその会社へマンションを売却するのは節税に有効な方法なの?

税理士

平成28年(2016年)の税制改正では、デフレスパイラルからの脱却を目的としたさまざまな見直しが行われました。

しかし、個人にとっては、住宅ローンの借入限度額と期間の拡充といった恩恵を受ける内容もあったものの、ほとんどがなにかしらの増税を伴うものであるという印象をぬぐうことができません。

特に、所得税や相続税では最高税率の引き上げが行われ、なにもしないのに大切な資産が目減りしてしまい、納税のために手放さなければならないかもしれないという不安を抱く人も増えているようです。

一方で、平成24年の改正で税率が30%から25.5%へと引き下げられた法人税制。まだまだ諸外国に比べると税率が高く、アベノミクスの成長戦略をサポートするためにもさらなる引き下げが検討されています。

こうした状況を反映したかのように、個人の資産を守る観点から、資産管理法人の設立に注目が集まっています。

そこで、マンションなどの個人資産を法人化するには設立した資産管理会社へ売却すればいいのか、もっと活用する方法はないのかなどを検証してみましょう。

マンションなど資産管理の法人化とは

マンションの図面

マンションなど個人資産の一部または全部を法人格の組織に移し管理することで、法人税制のメリットを享受しようとするのが、法人化の基本的な考え方です。

法人化で注目されているのは、税率の低さよりも、経費として認められる幅の広さでしょう。

資産としてマンションを所有している場合、借入で発生する支払い利息や賃貸収入について、個人では経費として認められません。しかし、法人の会計処理ではこれらを経費として差し引くことができるのです。

また、役員の報酬、退職金、交通費、通信費といった、資産管理と運用のために必要とされる一般的な経費も認められます。

認められる経費が多ければ、それだけ課税所得を圧縮することができ、税額は少なくなります。つまり、たとえ税率が同じでも、経費がほとんど認められない個人との税額の差は大きくなる可能性が高いわけです。

もちろん、法人の設立や維持には、個人の時には発生しなかった費用が必要になります。このような出費と節税分のバランスを示した損益分岐点は、かつては2,000万円ぐらいだと言われていました。これは、法人設立のハードルが高かったことが原因です。

しかし、平成18年の商法改正で、法人設立のハードルは格段に低くなりました。これによって2,000万円ぐらいだった損益分岐点は、実質的に1,000万円以下にまで下がったと言われています。

すでに運用していたり相続する予定の資産が月額で80万円以上の収益を上げていれば、法人化の検討は必須といえます。また、そうした目標を掲げて、休眠している不動産や相続不動産を運用したい場合も、準備しておいて損にはならないでしょう。

法人化の利用方法について

ノートパソコン

マンションなどの個人の資産を法人化によって管理・運用するには、主に3つの方法があります。

『マンションの所有者を個人から法人へ変更する方法』、『所有者を変えず一括貸与して管理・運用をする方法』、『管理・運用の業務を法人に委託する方法』の3つです。

所有者を変えずに貸与や業務委託する方法は、いずれも登記の手間や費用がかからずハードルが低い方法と言えます。しかし、経費として認められる範囲が限られるなど、課税所得を圧縮する効果はあまり高いとは言えません。

それに対して、マンションを個人から法人へ不動産を売却して管理・運用する方法では、法人税務のメリットを多く活かすことができます。

個人から法人へ売却する方法では、個人から時価評価で不動産を購入し、この不動産の管理・運用を行います。管理・運用に際して発生する利益や費用は、法人の税務に則して処理されます。

注意しなければならないのは、個人から法人への譲渡に登記手続きなどの費用がかかること、時価評価から乖離した価格での売買は税務調査の対象になることでしょう。

手続きの手数料だけで個人から法人へ所有権を移しても、税務署はその取引に一般的な売買取引と同等の対価が発生すると判断します。従って、売主の個人には売却益に対する所得税が発生するとみなすわけです。この申告をしなければ、延滞税などのペナルティーが科せられることになります。

こうしたトラブルを防ぐために、時価評価に準じた売買取引とがあったとして、法人は個人に対して対価を支払うように帳簿処理をします。

価格は、一般的な売買取引に準じたものにします。この際に、一括で支払う必要はありませんので、売主の所得総額に負担がかからない程度の分割にすることも可能です。

こうした処理は、税務の専門的な知識を必要とします。せっかく法人を設立しても、追徴課税されたのでは意味がありません。専門家のサポートや税務申告に対しての取り組みも含めて、法人化のメリットを検討してください。

まとめ

マンション売却の相談

税制の改正によって、個人の資産に対する制約は年々厳しくなっていると言わざるを得ません。

その一方で、グローバルな競争力を高める意味でも、日本では法人に対する規制が緩和される傾向にあります。

こうした背景を考えると、個人による資産の管理・運用を法人化するのは有効な方法と言えるでしょう。

法人化による個人資産の管理には主に3つの方法があります。そのうち、最も課税所得の圧縮効果が期待できるのは、個人から法人へ不動産を売却して管理・運用を行う方法です。

この方法では、法人税務のメリットを多く活かすことができます。しかし、法人税務では専門的な知識は必須です。

個人の都合では通用しないことも多いので、法人化での管理・運用を行う際には、専門家にサポートを依頼するなど、法人として経営していく感覚が必要となりますよ。

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