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競売で落札した不動産を売却するときに注意すべきことは?

競売物件の売却

自宅の購入や実家の売却などで不動産売買についてリサーチを始めると、目に止まるのが競売物件の情報。

市場価格に比べると割安で、流通もオープンに感じるため、チャンスがあれば選択肢に入れたいと思うのは無理もないことでしょう。

平成になってたびたび関連法令が改正され、それまでの不透明感が払拭されたことも追い風になっています。これを受けて、副業のような感覚で競売物件を仕入れて売却し、その差益を得るのもアリなんじゃないか、と思う人が増えているようです。

実際に、一時期は競売物件の売買ノウハウと称した情報商材やセミナーが注目されたこともありました。

しかし、本や雑誌、CDやDVDといった中古で売られていたものを買ってネットで転売する「せどり」と呼ばれるビジネスと同じような感覚で競売物件を扱おうとすると、思わぬ落とし穴にはまることもあるのです。

では、競売物件で入手した不動産を手放さなければならなくなったときや、少しでも売却益を得たいと思ったときに超えなければならないハードルにはどんなものがあるのか、その解決方法とともに見ていきましょう。

競売で得た不動産を売却するときの注意点

競売不動産の売却

競売は「けいばい」と読みます。もともとは、複数の買手から最も良い条件を提示した者に売却するシステムのことを言います。不動産売買における競売では、債権者が申し立てをすることで法的に裁判所が債務者の不動産を売却することを指します。

要するに、借金のカタとして抵当に入っていた不動産を、支払いが滞ったときに売却して返却に充当するための措置です。不動産競売の大まかな流れは以下のとおりです。

不動産競売の主な流れ

1.債権者から裁判所に競売の申立てがあり、それに応じて裁判所が競売決定の開始を行います。該当する不動産は差押登記嘱託されます。

2.競売が開始されると、裁判所から執行官と評価人が該当する不動産に派遣され、不動産がどのような状態なのかという現況調査を行います。それに沿って、物件明細書が作成され、売却基準価額が決定します。

3.買い受けの申出人を募集する期間を終えると、開札をして落札者を決定します。入札がない場合には、特別売却によって再度、買い受けの申出人を募ります。特別売却では、売却基準価額以上の価額であれば、早い者勝ちで決定します。

4.裁判所が問題ないと判断すると、売却が決定します。

5.買受人として決定して人が、定められた代金を裁判所に納付すると、所有権移転登記を行うことができます。これで競売による買い受けは終了です。

買い受けた競売物件で多いトラブルは、以下のとおりです。

■競売物件で特に多いトラブル

  • 通常の売買では処理が義務付けられている項目が残っている場合がある
  • 住宅ローンの対象とすることができない
  • 内覧ができないのでリフォームなどに想定以上の費用がかかるケースがある
競売は、債務の回収を裁判所がサポートするという法律行為なので、通常の売買と違い「売主がいない」ことになります。したがって、欠陥となる瑕疵があっても通常の売買のように瑕疵担保責任が適用されません。

また、該当する不動産に第三者がいても、その排除などは競売とは別に買い受け人が求めなければなりません。法令の改正で買い受け側の権利は手厚くなりましたが、それでも解決は自力で行わなければならないのです。

このほか、一般的な売買契約に含まれる重要事項説明書の内容がそろっていない場合もあります。境界線の確定、残置物の処理も自力での解決が必要です。抵当権や賃借権が設定されている場合には、その抹消も買い受け側で行わなければなりません。

注意しなければならないのは、これらの義務は競売落札の際には適用されませんが、同じ物件を一般的な売買方法で売却する際には免除されないという点です。競売後に事情があって売却しなければならない場合、瑕疵や占有者への対処などは、競売時とは違って買い受け人の義務となってしまうのです。

競売物件ビジネスの概要と落とし穴

競売

このように、落札したときに問われなかった競売物件への義務は、その物件を通常どおり売却するときに免除されるわけではありません。占有者の立ち退きなども、法の整備によって買い受け人に有利になったとはいえ、競売の許可を下す裁判所が同時に代行してくれるわけではありません。

手間や費用はすべて買い受け人が負担しなければならないのです。これらの瑕疵やトラブルを放置したまま、入手した競売物件を売ることは、法律的に許されないのです。

ただし、瑕疵やトラブルは必ずあるものとは限らないです。もし、なければ割安に不動産を仕入れることができるので、入札を繰り返して利益を上げることも夢ではないと言えるでしょう。

しかし、そこにも落とし穴があります。不動産売買を同じ人が繰り返して行うと、業として行っているとみなされ、宅地建物取引業者としての登録をしなければならなくなるのです。

宅地建物取引業者の免許を受けずに繰り返して不動産の売却を行ったとみなされると、重い罰則を科せられることもあります。

まとめ

天秤

ワケありでも事情がわかっていれば、市場価格より割安で遜色のないものを手に入れることができるのは、食品でも不動産でも同じでしょう。

しかし、競売というワケあり不動産を手に入れる場合には、想定外のトラブルに対処しなければならなくなることもあることを、覚悟する必要があります。また、その確率は決して低くはありません。

トラブルの存在が明らかになったら、そのまま売却することはできません。問題を隠して売却しようとしても、競売とは異なり責任を問われることになります。

落札して短期間で売却する場合には、税率の高い短期譲渡所得税が適用されることも考慮しておかなければならないでしょう。

半年や1年のあいだに何度も落札と売却を繰り返すと、宅地建物取引業者とみなされることがあるので注意が必要です。登録なしに宅地建物取引業と同様な行為を行っているとみなされると、処罰を受けることもあります。

割安で不動産を手に入れることができる競売は、法整備も進んで利用しやすくなりました。しかし、ビジネスとして競売を利用し、売却が絡む場合には、リスクも多く、通常の売買では発生しない費用も余計にかかることを見落とさないようにしてください。

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