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ホームステージングはマンション売却の切り札になる?

ホームステージング

人間の生活に最低限必要とされる衣食住。

そのうち衣類は、とりあえず1着ひと揃えがあれば目的は果たすものの、衛生面を考えれば「着た切り雀」とはいかず、何着かの着替えを必要とするのが一般的でしょう。食事は食べてしまえば無くなるので、毎食分を調達しなければならないのは言うまでもありません。

住居に関してだけは、基本的に一家あるいは一世帯にひとつあれば事足りるはずで、日替わりや週替わりで転々と違うところに住み替えるという考え方を一般的とはしていないはずです。

つまり、日本の世帯総数=約5千3百万世帯分の戸数を維持すれば困ることはなく、むしろそれ以上の供給は無駄になるはずなのです。しかし現実は、毎月のように新築マンションの募集チラシがポストに詰め込まれるように、世帯を上回る供給が続いています。

この事実をマンション売却という視点で見ると、買い換えることができるストックは十分にあるものの、その分だけ売却市場のライバルが増え、売れ残りのリスクが高まることを意味しているのです。

そうした現状を踏まえて、マンション売却の現場では、これまで以上に「売却するための努力」に対する危機意識が高まっています。

リフォームやリノベーションは当たり前、時代はホームステージングに注目が集まっています。

そこで、乗り遅れないためにも、ホームステージングとはどんなものなのか、果たしてマンション売却の切り札として使えるのかどうかをチェックしておきましょう。

ホームステージングとは?

リビングの花瓶

ホームステージングは、中古不動産売却時の販売戦略のひとつです。欧米ですでに一般的となっていて、売却活動期間が半分になるだけでなく、希望価格よりも6%も高く売却できるというデータが出ている、夢のような戦略なのです。

日本でこれまで、というか今でも一般的な中古物件の売り出し方は、原則として「戸内になにもない状態にする」こと。居住中で売り出す場合、家具を含めて設備や備品もそのままであっても、売却が決まって引き渡す時点ではほとんどの付属物を処分しておくことが求められます。

これに対して、ホームステージングでは家具や備品などを含めて引き渡すというもの。

もちろん、使い古しのものをそのまま引き渡す「居抜き」ではなく、買い手にその部屋での住み心地を想像してもらうための「演出」の一環として行なうものなのです。

売却物件に手を加える手法としては、リフォームやリノベーションも一般的になっています。

リフォームはその物件の新築時の状態を念頭に修繕を加えること、リノベーションは新築時の状態よりも向上させるように変えることで、リノベーションのほうがリフォームより大がかりな施工になるのが一般的です。

これに対してホームステージングは、新築時にこだわらず、売出時点のトレンドや戸内の付加価値アップにこだわった改修を加えるのです。

従って、買い手が目にするチラシやネットの広告には、それまで売主が使ったこともなかった壁紙や家具などを配置した写真が掲載されることになります。

また、内覧者のために電灯類の付け替えやラグマットの新調も当たり前のように行なわれ、それまで置いたこともなかった観葉植物が飾られるというのも珍しくありません。

ホームステージングをマンション売却の切り札にする方法

台所

こうしたリフォームともリノベーションとも違ったホームステージングを施すことで、売却しようとするマンションに対する買い手の第一印象は確実に良くなるはずです。

リフォームやリノベーションは、新築物件との格差を解消するための手段と言えるでしょう。

それに対してホームステージングは、そのマンションでの暮らす自分の姿を買い手に思い描かせることができるわけです。

買い手の「よりきれいなマンションに住みたい」という潜在的な願望はリフォームやリノベーションで対応できます。しかし、「よりカッコよくマンションに住みたい」という潜在的な願望までには届きません。

それを可能にするのが、ホームステージングというわけなのです。

欧米では、市場ニーズを把握して物件のコーディネートできる専門家にホームステージングを依頼することが一般的です。

これは、通常のインテリアコーディネートが依頼主の趣味に左右されることが多いのに対して、ホームステージングのコーディネートが「売れる物件」を意識したものという差があるからです。

要するに、売主の独断による演出では上げられなかった売却の成功率や満足度を、専門家がマーケティング的な見地で手を加えることによってアップさせるというもの。

従って、一見「リフォームやリノベーションしたのと変わりない」ように思えても、そこに買い手目線の「ここに住んでみたい」と思わせる魅力がなければならないわけです。
【参考】マンション売却前にリフォームをすると得?それとも損?

まとめ

木の机とソファ

ホームステージングが誕生したのは1970年代のアメリカ。それまでも管理や修繕を丁寧に施して資産価値を上げながら、不動産売買の市場を育ててきた地ならではのニーズが生んだサービスと言えます。

欧米では、こうしたサービスを利用して、専門家によるコーディネートを施した状態で売却するのが、特にプレミアの付きやすい中古物件では当たり前になっているようです。

日本ではまだまだ「家具や内装は買主の好みで」という考えが一般的でしょう。

しかし、買主もデザインの専門家でないかぎり、「ご自由に」と言われても困ることが多く、費用を無駄にしたくないので二の足を踏みがちなのです。

ホームステージングは、もちろん家具レンタルや改装などの費用はかかりますが、それを販売価格に上乗せしても、買い手を納得させるバックボーンがあるということです。

ホームステージングによる売却期間の短縮と売却価格のアップは、買い手の「こういうマンションが欲しかった!」という声を反映したものでもあるはず。

マンション売却を考えたら、ホームステージングという手段を検討するだけでも、買い手の視線を知るという意味で無駄にはならないのでお勧めです。

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