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売却したマンションを引き渡せなくなってしまったとき対処法

マンションのカギ

マンションの売却は、個人にとっては超ビッグなプロジェクト。

書類を揃えたり、証明書などを取りに行ったり、内覧に対応したりと、慣れない作業に右往左往しながらも、売買契約を取り交わすところまでこぎ着ければひと段落。

後は契約どおりにお金を受け取って、物件の鍵を渡せば、売却を思い立ってから背負い続けてきた重荷からも晴れて解放されることになります。

でもその重荷、下ろすのはちょっと待ってください。

下駄を履くまで油断は禁物と言われるのは勝負の世界ですが、不動産取引もこれに通じるものがあるのです。野球で言えば9回裏2アウト3ボール2ストライク、サッカーなら後半のアディショナル・タイムといったところでしょうか、そんな「魔の時間」とも言える期間が、マンション売却にも存在するのです。

売却が完了したと思っていたのに、マンションを引き渡すことが出来なくなってしまった…。

あり得ないようで、実は油断できない「引き渡せないリスク」について心の準備をしておきましょう。

売却が決まったマンションの引渡について

カギ

最初に、売却活動を経て買主が決まり、売買契約を交わした後の行程についておさらいしておきましょう。

スーパーや商店街での買い物では、売買契約の成立は店頭で商品を手に取り、その清算を売主に求めた時点で成立すると考えられています。また、売買契約の完了は、買主がその商品の代金を支払った時点になります。

キャラメルやコロッケを買った場合は、現金であれ電子マネーやカード類であれ、支払いの手続きを済ませれば売買契約は完了したとみなされます。

マンション売却のような不動産取引の場合、取引金額が高額であることから、売買契約を書面で取り交わし、実際に契約を完了させる代金と物件の受け渡しには、タイムラグが生じることが一般的です。

不動産の受け渡しに登記移転手続きが必要となるなど、準備の期間が必要であることが、タイムラグを生じさせる主な理由です。

売買契約締結から最短でも半月、ほとんどが1ヵ月程度で、決済と引渡というスケジュールが組まれるというのが一般的です。

問題は、売買契約が成立してから、現実的な物件の引渡までにタイムラグがあることです。

契約書を交わしたので、売買は成立。つまり、マンションは買主のもので、売主は代金の支払い履行の権利を持っている状態になっているという解釈になります。

さて、この時点で、マンションに火災が起きたり、地震で壊れてしまったりしたら、どうなるでしょう?

売主に過失がない場合、契約はそのまま維持されると解釈されるのが一般的です。つまり、買主は購入代金の支払い義務を負ったままで、売主は物件を引き渡す義務を負ったままになります。

ところがこの場合でも、売主は焼けてしまったり壊れてしまったままの物件を引き渡せば、義務を履行したというわけにはいかないのです。

売買契約書は、その契約を交わした時点の状態・状況を基準とすることが原則です。例えばローン契約で、翌日に金利が大きく上下したからといって、勝手に有利・不利で契約内容や契約日を変えることはできないのと同じことです。

ということは、マンション売却の売買契約で売主が引渡義務を負っているのは契約時の状態の物件ということ。契約後に焼けてしまったり、地震で壊れてしまった状態の物件ではないのです。

売却したマンションが引き渡せない状態になったら?

火事

では、売買契約の成立後に、予期しないアクシデントによって物件が契約時の状態ではなくなった場合、売主はどうすればいいのでしょうか。

基本的に、「私の責任ではない」と何もしないわけにはいかないことは認識しておきましょう。

先述のように、それが不可抗力によるものであっても、買主は代金支払いの義務を免れることは出来ないように、売主も物件の引渡義務は免れません。

そして、その引渡義務は「契約時の状態」である必要があります。

つまり、売主は契約時の状態になるように物件を修復してから引き渡さなければならないということです。これを、売主の「危険負担」と言い、法によって定められたものです。

もちろん、物件の状態によっては修復が不可能な場合もあるでしょう。

買主と売主の双方がそう判断した場合に、買主は契約を解除することができるようになります。

ここで注意しなければならないのは、アクシデントによって物件が契約時の状態でなくなった場合、売主や買主が一方的に契約を解除できないということ。

売主が「修復するのは費用が掛かりすぎるから売却は止めよう」と思ってもダメ。同様に、「焼けた物件は縁起が悪いからリフォームしたとしても買いたくない」と思ってもダメなのです。

ただし、修復には費用だけではなく時間もかかります。当然、当初の引渡し時期より延長しなければならないため、買主の都合を確認しなければなりません。

そうした調整のなかで、売主と買主がお互いに納得できるかたちを探るというのが、売買契約後に予定どおりマンションを引き渡せなくなったときの最善策と言えるでしょう。

まとめ

カギ

マンション売却の行程では、売買契約の締結が一応のゴールと言われています。

たしかに、買主も決まって、後は代金が支払われるのを確認して移転登記を了承するだけで、売主としてやらなければならないことはなくなります。

しかし、本当のゴールは、その代金支払いと移転登記着手なのです。

というのも、売買契約後からその本当のゴールまでに、不可抗力であれなんであれ、物件に「もしも」のことがあれば、その責任を負う義務はまだ売主にあるからです。

売主に過失がない災害による物件の損害が発生しても、それは変わりません。

こうした場合、法によって売主には契約時の状態に復旧して物件を引き渡す義務があります。

義務が残っているということは、買主も損害があることだけを理由に契約を解除することが出来ません。

ただし、あくまでも売主側の物件の修復と買主側の支払い義務は前提条件です。引渡に時間が掛かったり、そのアクシデントによって状況も変わるでしょう。

そうしたことを織り込みながら、双方が納得する話し合いをもつことができれば、それぞれの負担を分け合うようなかたちで調整することもできるでしょう。

こうしたケースでは、法的に処理しなければならない課題も発生することが多いので、後々のトラブルに発展させないためにも専門家に相談したり、サポートを依頼することをおすすめします。
【参考】イエウールの口コミ@良い点・悪い点や使い勝手を検証

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