マンション売却には旬のベストタイミングはこの季節です!
旬と言えば、ベスト・タイミングのこと。
元々は食材が最も美味しいとされる時期を指した言葉でしたが、現在ではいろいろな事象に対しても使われるようになっています。
その場合、どのタイミングをベストにするかによって、その事象の旬に対する考え方は変わってくることになります。
しかし、旬というワードを使うのであれば、本来の意味に沿った定義をするのが仁義であり、説得力もあるというもの。
そこで、果たして「マンション売却に旬という考え方は当てはまるのか」ということを考えながら、本来の意味に沿った定義づけができるかどうかを見ていきましょう。
マンション売却に旬という考え方は当てはまるのか
元々、旬という言葉は「収穫物」に対して使われていました。
自然界の「収穫物」と言えば、海ならば魚関係、陸ならば植物関係か獣関係、空ならば鳥関係、といったところでしょうか。
これらの対象は、それぞれに繁殖期などのサイクルがあるため、自然の状態では収穫できる時期とできない時期が発生することになります。
収穫できる時期のなかでも、もっともその対象にとって生育の条件・環境が整っているわずかな期間に、収穫量のピークを迎えることになります。これを旬と呼ぶようになりました。
収穫物の旬は、収穫量がピークになると言うだけではありません。栄養価も他の時期に比べると高くなるなど、食材としての価値が高くなっていることを示す言葉にもなっているのが旬なのです。
それでは、「マンション売却」をこの収穫物の旬に沿って考えてみましょう。
まず、旬にとって最も顕著な現象である「収穫量のピーク」について。
不動産市場において収穫量は、物件の供給量に置き換えることができます。
物件の供給量は1年のサイクルで同じような増減を示しています。従って、不動産市場の旬は、最も物件の供給量が多い時期、ということができます。
さて、最も市場に物件が供給される時期とは、いつでしょうか?
それは、秋です。
この背景には、新築マンションの販売が秋に多いことが関係しているからです。
な日本のマンションデベロッパーが、示し合わせるように新築マンションを秋に販売し始めるのは、市場原理と言うよりも、法人としての決算サイクルによるものが多いようです。
日本の企業の多くは、4月始まりの3月締めという会計年度で事業を計画・進行させています。
新築マンションの販売計画をこれに当てはめてみましょう。
まず、土地の取得と建築計画を立てます。こうしたスケジュールは、マンション竣工までの全体の工程管理とは別に、それぞれの作業ごとに分けられて、年度ごとに代表取締役や役員などの承認を受けて進められます。
つまり、年度末にはその年度に承認された作業が終わっていなければならないわけです。
前年度末に土地取得が終わっている計画では、新年度の4月になって建築という作業に移ることになります。
一般的なマンション建設を考えると、工期はおよそ半年といったところでしょう。そう考えると、9月から10月にかけては建物も完成し、販売できる状態になっているというわけです。
そして出来上がった新築マンションは、また年度末である3月までに何らかのかたちで「売り切る」というのが、不動産の旬を考える際に参考となるサイクルです。
マンション売却の旬はどのように活用すべきなのか
それでは、「マンション売却の旬」が、新築マンションが揃って売り出される秋であるかどうかを考えてみましょう。
新築マンションの売出がピークを迎えるということは、市場に活気があることを意味します。
ということは、販売活動も活発になり、消費者のあいだに潜在的な「不動産購入熱が高まる」ことになります。
折り込みチラシやテレビ・ラジオのCMに不動産関連のものが増え、新規購入や買い換えを具体的に検討できる環境が整ってくるのがこの時期なのです。
購入熱は、新築に限定されるわけではありません。
検討が進むと、自分の購入条件が絞り込めるようになり、新築・中古に関係なく、物件を比較したくなってくるからです。
このような状況に後押しされて、中古市場も活気づいてくることになります。
従って、不動産市場全体の購入熱が高まる「秋」は、マンション売却にとっても旬と呼べるタイミングであると言えるでしょう。
まとめ
スイカやサンマのように、マンション売却にも「旬」があるかといえば、「ある」というのが日本の不動産市場の現状です。
その背景には、新築マンションのデベロッパーによる「会社の事情」が関係しているのですが、それによって巻き起こされる「購入熱」は、中古マンションにも波及することになります。
これらを考えると、マンション売却では秋を意識した売却戦略を建てることも必要になります。
注意しなければならないのは、秋に購買熱が高まるからといって、高値で売れる可能性が高まると誤解してはいけないこと。
食材の旬を考えてみてください。旬は「安くて美味しいものがたくさん食べられる」から旬なのです。
マンション売却でも同じように考えるべきです。
具体的には、9月あたりを目処に「値下げ」をするなど、買い手に魅力的と映る政略変更をするタイミングとして、この旬を活用したいものです。
同様に、新築マンションを「売り切り」たい販売会社の事情を考え、年度末にかけての2~3月を前に、同様の「値下げによるアピール」をすることが効果的でしょう。
いずれも、市場の購買熱が高まる時期に、買い手に魅力的と思ってもらえるアピールを考えることが、マンション売却の成功率アップにつながる「旬な戦略」となるはずです。
【関連】マンション売却の査定額が仲介業者によって違う理由