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マンション売却で仲介業者が行う「囲い込み」の影響と見分け方

囲い込み

所有しているマンションを売却しようとしたら、不動産取引を専門に扱う業者に仲介を依頼するのが一般的です。

その理由は、不動産取引には法的な制約が発生する専門的な手続きが多く、取引に不慣れなシロウトの所有者が独力で進めるのは、かなり困難がともなうからです。

その結果、目的のマンション売却の良否は、依頼する業者の力量に大きく左右されると言っても過言ではありません。

ところが、それだけ重要な役割を担う立場にありながら、業者の報酬は取引が成り立たないと発生せず、その金額も法によって上限が決められています。

つまり、マンション売却の「欠かせないパートナー」としての業務を遂行しているのにもかかわらず、それに見合った報酬とは言えなかったり、場合によってはただ働きになりかねないリスクを負っているのが、不動産取引の仲介業務なのです。

そうした背景から、不動産仲介の業界では一部の業者が「囲い込み」という営業手法を用いて、対応しています。

この「囲い込み」は違法ではないものの、仲介を依頼する消費者の利益を損なうものとして問題視されるようになっています。

そこで、「囲い込み」についておさらいをしながら、その是非と「囲い込み」をされているかどうかの見分け方について見ていきましょう。

「囲い込み」とはなにか?

不動産業者

「囲い込み」とは、文字どおり「不動産の取引を他者(別の業者)が関与しないように隔離してしまうこと」です。

一般に、不慣れなシロウトが不動産売買を行う場合、売買契約に至るまでの過程の作業は仲介業者に委託して進められます。

委託を受けた業者は、売主に代わって買い手を見つけたり、その逆の業務を遂行するわけです。

こうした業務に対する報酬は、取引が成立した場合にのみ支払われ、その上限額と共に法で定められています。

例えば、2,000万円でマンションを売却した場合、仲介業者が受け取ることのできる報酬は、売却価格の3%+6万円+消費税(8%)という規定があるので、712,800円を上回ってはいけません。

媒介契約までの調査や打ち合わせ、媒介契約後のチラシ制作や問い合わせ対応、広告活動に内覧対応を経て、買い手のリクエストを調整しながら売買契約までこぎ着けるのが、仲介業者の役目です。

売り出して3日と経たずに売れてしまうこともあれば、3ヵ月かかることもあるでしょう。たとえ3ヵ月かかっても、媒介契約があるうちに取引が成立すれば、報酬が発生します。

しかし、取引がなく、媒介契約の更新がされずに終われば、報酬はゼロ。ただ働きになってしまうのです。

こうした厳しくも感じられる業者への規制が敷かれている背景には、契約成立の有る無しを問わずに、実態のない営業活動で高額な手数料を取ってボロ儲けをした業者を取り締まる目的がありました。

しかし、法定限度額まで報酬を受け取ったとしても、業者の利益は厳しいと言わざるをえないのではないでしょうか。

こうした経営環境を見直そうとした場合、利益を上げるには支出を下げるか収入を上げるかを考えなければなりません。

手っ取り早く収入を上げるには、仲介業務の「数をこなす」ことです。

この「数をこなす」方法のなかに、不動産取引に特有の「抜け道」とも言える「両手取引」があるのです。

通常、売主から「マンションを売ってほしい」と依頼された業者は、売却活動のなかで買い手を探します。

買い手には買い手側の仲介業者がいて、取引が成立すると、売主の業者には売主から、買主の業者には買主から、それぞれ報酬が支払われることになります。

ただし、売主の依頼を受けた業者が買主の依頼も受けていた場合は、売主・買主で1つの取引分の報酬ではなく、売主分と買主分の2つ分の報酬を受け取ることが許されているのです。

利益を出すために取引の数を増やす必要があるという業者にとって、2回の取引で2回分ではなく、1回の取引で2回分の報酬を請求できるチャンスが、この両手取引なのです。

これを可能にするために、業者は他の業者が介入しないように、売り出しの物件に対する問い合わせがあっても、「すでに契約が進んでいる」などの嘘をついて、阻もうとします。

こうした状態が、「囲い込み」と言われるものです。

「囲い込み」の是非と見分け方

図面を見せる業者

「囲い込み」のメリットは、業者にしかないと言っても過言ではありません。

百歩譲って売主にもあるとすれば、「買い手を見つけなければ両手は成立しないのだから懸命になる」という業者の姿勢への評価でしょう。

それにしても、最初から片手取引(売主からのみの媒介契約)を捨てて両手取引を目論む業者にとっては、自社で買い手を紹介できない物件は「飾り」と割り切って、売却活動がおざなりになることも考えられます。

業者が「囲い込み」を目論んでいるか否かを見分けるのに、「マイソク」と呼ばれる販売図面を見る方法があります。

「マイソク」は、売主から依頼を受けた業者が制作します。これを他の業者に配布して、買い手に紹介する際に用いるのですが、その際にその20%の部分に買い手を探す業者の情報に差し替えます。

これは、買い手の仲介をして契約が成立したときに、その会社が報酬をもらう権利があることを示すためのものです。

買い手側の業者が、この差し替え作業をしやすいように、横幅いっぱいのスペースを空けるのが慣例です。

しかし、「囲い込み」をしようとしている業者は、情報スペースを下辺まで伸ばすなどして、横幅いっぱいではなく変則的なスペースが空いている「マイソク」を作るのです。

これは、買い手側の業者に手間をかけさせ、見栄えも悪くするなどのプレッシャーになります。

要するに、意地悪をして、買い手側業者の意欲を削ごうとするわけです。

こうした「意地悪なマイソク」は、作っても他の業者に配布されないことも多いようです。しかし、売主がその事実を確認するのは難しいというのが実情です。

とはいえ、売主が依頼している物件の販売活動の一部である「マイソク」の確認を要求するのは、当然の権利です。

その業者がこの要求に応じないということは、媒介契約に違反するとみなしてもおかしくありません。

また、提出させた「マイソク」の、買い手側業者用に空けられたスペースが横幅いっぱいではなく変則であれば、「囲い込み」を疑うに足ることになります。

まとめ

成功のカギ

売主側の仲介業者が、自ら買い手を探して、仲介手数料を売主と買主の両方からもらおうとすることを、両手取引といいます。

両手取引は、日本では違法ではありませんが、買い手を探す活動を著しく制限するために、売主の不利益になる可能性が高くなります。

業者が「囲い込み」行為をしようとしているかどうかは、販売活動で業者が制作する「マイソク」でチェックすることができます。

「囲い込み」が疑われる時点で、仲介を依頼する前提となる信頼関係が成り立たなくなります。

その際は媒介契約を延長せず、速やかに別の信頼に足る業者を選び直すことをお勧めします。そして、囲いを防ぐためには、HOME4Uのような不動産査定サイトを活用して、あらかじめ複数の業者をコンタクトを取っておくべきです。

【参考】HOME4Uの口コミをチェックする

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