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マンション売却後に壊れた設備の修理は誰の責任になる?

マンションリフォーム

個人が所有するマンションを売却する場合、その物件は「中古」という扱いになります。

居住年数や修繕状態によって評価は変わりますが、基本的に買い手は「中古であるからにはなんらかの不具合があるはず」という先入観をもって取引に臨むはずです。

こうした状況を反映して、宅地建物取引業法では、取引に際しての物件の状態が把握できる書類の整備を推奨し、個別に不具合の有無や修理・交換の責任者と範囲を明記できるように促しています。

こうしておけば、取引の前はもちろん、後になって起こる不具合を直すべき責任の所在をはっきりさせることができ、ストレスを軽減することができるというわけです。

とはいっても、売主と買主のどちらが責任をもつのかは、それぞれの合意があれば、どのようにも決めることができます。

そこで、マンションを売却する際の設備不具合に関する責任の所在についてと、取り決めの内容について、考えてみましょう。

売却マンションの設備と責任範囲について

マンション解体工事

まず、トラブルを回避するために書類などに明記する主な設備について把握しておきましょう。

不動産売買契約書の標準的なひな形に記載されている「主要設備」とは、給湯、水廻り、空調に関係するものです。

これらの「主要設備」の故障に関しては、原則として売主が「使える状態に復旧する」か、買主が交換するのを妨げない」つまり不具合のある状態を取り除いておく措置をとることが一般的です。

また、売却活動中に不具合の有無を買い手が確認するのは難しいことから、買主に猶予期間を定め、引渡し完了から7日以内に「主要設備」に不具合が見つかったので直してほしいという請求があったものについては、この責任を売主が負うことをデフォルトとしています。

「主要設備」でないものに関しては、別紙に「設備表」を作成し、それぞれについて「故障・不具合」の有無を売主が申告するようにしています。

「故障・不具合」で「無」と記された設備については、引渡し後に不具合があることが判明した場合、売主の確認不足として責任を負わなければなりません。

「有」と記された設備については、引渡し後に不具合があることが判明しても、売主の責任は問われません。なぜなら、売主が書類を作成してその設備の不具合を明示し、買主もその不具合を認めて、納得してその記載書類が添付された売買契約書に同意しているからです。

なお、買主が「故障・不具合」について「有」とされた主要設備以外の設備について売主の責任を問うためには、「有」とされた設備の措置について、契約前に売主との交渉にゆだねられることになります。

「現状有姿渡し」にした場合の売主のメリットとデメリット

バルコニーに面する部屋

さて、こうして売買契約前の設備に関する売主と買主の合意に関する説明をするだけでも、いろいろと面倒だという印象をもった人も多いのではないでしょうか。

確かに、不安を解消するためにいくら細かく定めようと思っても、相手があることなので思ったとおりにいくとはかぎりません。思ったとおりにいかないということは、交渉が決裂しかねないということです。

売買を成立させることが目的なのに、細部にこだわることで目的が達成できないのでは、本末転倒です。

そこで、多くの不動産取引で用いられているのが、「現状有姿渡し」という条件を付した契約です。

「現状有姿渡し」と記された契約書を交わした場合、売主は原則として物件の引渡し後の責任を負わなくてもよいことになります。

「現状有姿渡し」のメリット

売主にとって「現状有姿渡し」は、面倒な設備の修理・交換に関する責任を基本的に負わなくて済むことがメリットです。

この点に関して、買主は設備に関する不具合を想定し、売主に対して金額など他の条件で見合うように交渉を行います。

あらかじめ買主がリフォームを予定している場合などでは、売主にあれこれとクレームを付けるよりも、所有してから思い通りの改修・交換をしたいと考える人も多いでしょう。リフォーム分の何割かを割引いてもらうほうが、お買い得に感じるというわけです。

「現状有姿渡し」のデメリット

実は、売買契約書に「現状有姿渡し」と記載して契約を成立させていても、売主の責任がまったくなくなることはありません。

建物の主要部分や雨漏りを防ぐ部分に関する不具合の責任を負う瑕疵担保責任は、中古物件の場合には免除されることが一般的です。

しかし、この免責は、売主が知らない場合に限られます。売主がその不具合について知っているのに、買主に知らせなかった場合は、この責任を負わなければなりません。

また、瑕疵担保責任を免責にするには、その旨を契約書に明記しておかなければなりません。「中古だから一般的に瑕疵担保責任は負わないけれど、いいですね」などと口約束しただけでは、実際に瑕疵があり損害賠償請求をされると、従わなければならなくなるのです。

もちろん、設備全般に関して「故障・不具合」を「無」と偽り、それが発覚した場合も、損害賠償を請求されることになります。

まとめ

マンションの建設現場

所有するマンションを売却しようとするとき、付帯する設備の状態によっては、修理や交換が必要になることがあります。

修理や交換が必要か、誰の責任で行うかは、売買契約を交わす前に売主と買主で交渉し、合意しなければなりません。

いちいち確認して、それを修理・交換してからでは手間と費用もかかります。そこで、「現状有姿渡し」という条件で、修理・交換をせずに引渡す方法での取引も少なくありません。

しかし、「現状有姿渡し」であっても、瑕疵に関する解釈や対応については、すべて免責になるとはかぎりません。

特に、売主は不具合があることを知っていて買主に知らせなかった場合、損害賠償請求をされるリスクを高めることになります。

売主は不具合の申告に関しては誠実に対応し、なおかつ売却期間を縮めることを考えながら買主と交渉し、それらをきちんと売買契約書に記載することが、設備に関するリスクを下げる最善策になると言えるでしょう。

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